議決権行使

2024年12月19日制定

議決権行使に関する基本方針

  1. 1. 議決権行使に関する基本的な考え方

    規律ある議決権行使は、投資先企業の中長期的な企業価値向上を促し、それに伴い投資先企業が付加価値を創出することで、社会課題の解決と顧客の資産増加の双方が実現します。
    なかのアセットマネジメント株式会社(以下、当社)は、「顧客本位」の追求を掲げており、顧客から託される大切な資産の長期的な最大化と投資先企業の中長期における企業価値向上に資するよう議決権を行使します。
    当社が積極的に推進するエンゲージメント(建設的な「目的を持った対話」)に加え、規律ある議決権行使こそが、インベストメント・チェーン全体の高度化を導き、すべてのステークホルダーが利益を享受する好循環を生み出すと考えています。
    この考え方は、当社スチュワードシップ・コードに則ったものであり、信頼ある受託者としての責任を全うする基礎となるものです。
    また、顧客が安心して当社ファンドを保有できるよう、議決権行使に係るガイドライン及び議決権の行使結果は当社ウェブサイトにて開示し、透明性を確保してまいります。

  2.  

  3. 2. 議決権行使に関する意思決定プロセス

    議決権行使の意思決定プロセスは、アナリスト及びポートフォリオマネジャーが議決権行使ガイドラインに基づき全ての個別議案を精査したうえで、最終判断は投資委員会が行います。
    投資委員会は、代表取締役社長をはじめ、業務執行取締役、コンプライアンス部長、運用部長により構成されます。議長は運用部長が行い、運営及び事務局は運用部が担当します。
    議決権行使ガイドラインにおける原則とは異なる判断が必要な場合は、アナリスト及びポートフォリオマネジャーが投資先企業と対話を行い、投資委員会で十分に精査します。

 

議決権行使ガイドライン

  1. 1. 取締役選任・解任に関する議案

    当社は、取締役会が適切なガバナンスのもと、株主価値の最大化を図ると同時に、中長期的な企業価値の向上と持続可能な成長を支える役割を果たすべきと考えます。
    投資先企業の取締役選任または解任に関する議決権行使においては、取締役の適格性に加えて、取締役会が経営を効果的に監督し、独立性、透明性、多様性を確保した健全な意思決定を行える体制であるかを重視します。
    以下の項目に抵触する場合、対話による十分な説明がない限り、代表権のある取締役または当該取締役などの選任の議案に原則として反対します。

    1. (1)業績・資本効率
      • 業績
        過去5期の平均ROE(自己資本利益率)が5%を下回らないこと。下回る場合、改善計画や将来性が示されていること。
        複数年赤字が継続する場合、経営責任が明確化されていること。
      • 株主資本効率
        配当性向やDOE(株主資本配当率)が適切な水準で、資本の有効活用がされていること。
        最適資本構成及び資本コストを意識した経営を行い、株主価値向上に貢献していること。
      • 政策保有株式
        政策保有株式が純資産の20%以下であるか、縮減計画が提示されていること。
    2. (2)取締役会
      • 規模と構成
        取締役の総数が20名未満であること。
        取締役会に占める独立社外取締役の割合が1/3以上であること。
      • ガバナンスと機関設計
        取締役会が経営を効果的に監視・監督する体制が整備されていること。
        適切な機関設計を選択し、委員会が十分に機能していること。
      • 情報開示
        取締役会の意思決定プロセスや実効性評価などが十分に開示されていること。
    3. (3)取締役
      • 役割と責任
        取締役が経営課題に対応する専門性を持ち、具体的な貢献を行っていること。
      • スキルと多様性
        ジェンダー、経歴、国籍など、取締役会に多様性が確保されていること。
        取締役全体が企業の課題に対応できる必要なスキルを有していること。
      • 活動実績
        過去1年間の取締役会出席率が80%以上であること。
        取締役会での議論や提案など、具体的な貢献内容が明確であること。
    4. (4)独立社外取締役
      • 独立性
        親会社や主要取引先などとの利益相反がないこと。
        独立社外取締役が最低3名以上選任されていること。
        取締役としての在任期間が10年を超えないこと。
      • 選任理由
        候補者のスキル、経歴、選任理由を株主に対して明確に開示されていること。
      • 兼任
        独立社外取締役の兼任が3社未満であること
    5. (5)社会的責任とコンプライアンス
      • 社会的信頼
        企業が過去に重大な不祥事や法令違反を起こしていないこと。
      • 責任の所在
        コンプライアンス違反や不祥事が発生した場合、責任の所在が明確で、適切な対応が取られていること。
      • 企業倫理
        ステークホルダーに対する責任を果たし、社会的課題への積極的な取り組みを行っていること。
    6. (6)解任の基準
      • 以下のいずれかに該当する場合には、取締役の解任議案を支持します。
        過去に重大な不正や法令違反を行った場合。
        業績不振が継続し、取締役としての責任を十分に果たしていない場合。
        株主やステークホルダーに対する説明責任を果たしていない場合。
        取締役会の実効性評価において、当該取締役の活動が十分でないと判断される場合。

     

  2. 2. 監査役選任・解任に関する議案

    当社は、以下の項目に抵触する場合、対話による十分な説明がない限り、監査役の選任の議案に原則として反対します。

    1. (1)独立性
      親会社や主要取引先との利益相反がないこと。
      他社役員の兼任が3社未満であること。
      監査役としての在任期間が10年を超えないこと。
    2. (2)活動実績と専門性
      財務、会計、法務、内部統制に精通し、監査役全体で多様な専門性が補完されていること。
      財務報告に関する監査意見を適切に提供し、不正リスクの監督に寄与していること。
      過去1年間の監査役会及び取締役会の出席率が80%以上であること。
      内部統制の強化や不正リスクの監督に具体的な貢献があること。
    3. (3)社会的責任と信頼性
      コンプライアンス違反や不祥事への迅速かつ適切な対応が行われていること。
      活動内容に透明性があり、監査役会の評価結果や監査意見が開示されていること。
      監査役候補者が高い倫理観を持ち、公正性を保ちながらステークホルダーの信頼に寄与できる人物であること。
      不祥事が発生した場合、監査役会が速やかに原因分析と対策を報告していること。
    4. (4)解任の基準
      以下のいずれかに該当する場合には、監査役の解任議案を支持します。
      -過去に重大な不正や法令違反を行った場合。
      -不祥事が発生した際、監査役としての責任を十分に果たしていない場合。
      -株主やステークホルダーに対する説明責任を果たしていない場合。

     

  3. 3. 役員報酬に関する議案

    当社は、適切な役員報酬は株主価値の最大化と同時に、中長期的な企業価値の向上と持続可能な成長に資するものであるべきと考えます。そのため、役員報酬の設計が透明性、公平性、業績連動性を十分に備え、長期的なインセンティブを提供する形で設計されていることを求めます。
    以下の基準に抵触する場合、対話を通じて十分な説明がない限り、役員報酬の議案に原則として反対します。

    1. (1)公平性及び情報開示
      報酬の総額及び構成(固定報酬、業績連動報酬、株式報酬など)が適切に開示されていること。
      報酬政策の目的、基準、決定プロセスが明確に説明されていること。
      報酬水準が業界平均や同規模企業の基準と比較して過剰でないこと。
      役員間の報酬格差が過大でないこと。
      株主還元や資本効率などを十分に考慮した上での報酬設計であること。
    2. (2)業績連動性と長期的インセンティブ
      短期的な業績だけでなく、中長期的な企業価値向上も重視した体系であること。
      具体的な指標が明確であり、その達成度が報酬額に反映されていること。
       財務指標:ROE、ROIC(投下資本利益率)など
       非財務指標:従業員満足度、NPS(ネット・プロモーター・スコア)など
      業績連動報酬や株式報酬の割合が、総報酬において一定以上を占めていること。
      株式報酬やパフォーマンスシェア(業績達成に応じた株式付与)など、株主と利害が一致する報酬設計が導入されていること。
      付与された株式報酬に最低保有期間が適切に設定されていること。
    3. (3)不適切な報酬について
    4. 不正やコンプライアンス違反の責任が不明確な役員に多額の報酬が支払われていないこと。
      慰労金の支払いには、透明性と妥当性が確保されていること。
      以下の場合には役員慰労金の支払いに反対する。

      • 業績が低迷しているにもかかわらず、過大な金額が設定されている場合。
      • 慰労金の額や支払い基準が開示されていない場合。
      • 長期的な企業価値向上に寄与する理由が説明されていない場合。

     

  4. 4. 剰余金処分に関する議案

    当社は以下の基準を満たす場合に議案を支持し、基準に抵触し十分な説明がない場合には反対します。

    1. (1)株主還元
      成長投資との株主還元が適切なバランスであること。
      配当性向及びDOEが業界平均と比べ、過度に低位ではないこと。
      自己株式取得は株主価値向上に資するものであり、その理由と規模が開示されていること。
    2. (2)財務健全性
      剰余金処分後も、自己資本比率やDEレシオ(デット・エクイティ・レシオ)などの財務基盤が安定していること。
      剰余金処分が必要な成長投資を確保したうえで実施され、財務健全性が保たれていること。

     

  5. 5. 資本政策等に関する議案

    当社は以下の基準を満たす場合に議案を支持し、基準に抵触し十分な説明がない場合には反対します。

    1. (1)買収・合併、営業譲渡、会社分割
      企業価値の向上及びシナジー効果をもたらす明確な計画に基づいていること。
      取引後の財務健全性が維持されていること。
      目的や条件、期待される効果が十分に開示されていること。
    2. (2)増減資
      増資が設備投資や研究開発など成長戦略に資する合理的な目的を持つこと。
      株主価値の希薄化が最小限に抑えられていること。
      減資が財務健全性や資本効率改善を目的としていること。
    3. (3)第三者割当増資
      割当先が企業価値向上に寄与する戦略的パートナーであること。
      割当価格が市場価格と比較して公正であること。
      割当の理由、規模、価格が明確に開示されていること。
    4. (4)株式併合
      株式併合が株価の安定や取引市場の基準を満たすために行われること。
      少数株主の利益が不当に損なわれないこと。
      必要性や影響が適切に開示されていること。

     

  6. 6. 買収防衛策に関する議案

    当社は原則的に買収防衛策の議案に反対します。一方で、買収防衛策が株主価値の保護を目的として合理的かつ必要不可欠であり、透明性と説明責任を備えた場合に限り支持します。

    1. (1)株主価値の保護
      買収防衛策は、株主価値を守り、企業の中長期的な成長を目的とし、すべての株主の利益を公平に保護する合理的な内容であること。
    2. (2)発動条件と透明性
      防衛策の発動条件が具体的かつ明確であり、目的、効果、発動後のプロセスが株主に十分開示され、透明性が確保されていること。
    3. (3)少数株主の保護
      買収防衛策は少数株主の権利や利益を不当に制限または損なわず、少数株主の利益を考慮した対応が取られること。
    4. (4)有効期限と見直し
      買収防衛策には適切な有効期限が設定され、株主総会の承認に伴う定期的な見直しが行われていること。

     

  7. 7. 定款変更に関する議案

    当社は、定款変更が企業価値の向上及び株主利益の保護に資するものであり、適切な目的と透明性を備えている場合に支持します。一方で、株主権利の制限や経営陣の保身を目的とする変更に対しては、原則として反対します。

    1. (1)明確な目的
      定款変更が企業価値向上や経営効率の改善、法令改正への対応など合理的な目的を持っていること。
      定款変更の理由が株主に対して具体的かつ明確に説明されていること。
    2. (2)株主権利の保護
      定款変更が株主の権利を不当に制限せず、株主利益を損なわない内容であること。
      少数株主の権利を尊重し、平等性を確保していること。
    3. (3)透明性と説明責任
      定款変更の内容と影響が開示され、株主が適切に判断できる情報が提供されていること。
      変更に伴うリスクやコストが明示されていること。
    4. (4)ガバナンスの向上
      定款変更が、取締役会や監査役会の機能強化、経営の透明性向上などガバナンスの改善に資するものであること。
      定款変更が経営陣の保身や権限の過度な集中を招かないものであること。

     

  8. 8. 株主提案

    当社は、株主提案が企業価値の向上及び株主利益の保護に資するものであり、実現可能性と合理性を備えた内容である場合に支持します。一方で、提案が企業価値を毀損する可能性がある場合や、目的や効果が十分に説明されていない場合には反対します。

  9.  

  10. 9. その他

    適宜、個別で判断します。

 

株主総会における議決権行使結果について

当社は、個別の投資先企業及び議案ごとの賛否判断の結果を公表しています。また、特に説明を要すると考える議案については理由を詳細に説明しています。
具体的な内容につきましては、以下に掲載のファイルをご参照ください。

2024年7月~9月 議決権行使結果(PDF)

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