米国経済に景気減速を示すデータが重なって来たことで、秋の利下げを織り込み切った楽観相場の焦点が実態景気の先行き不安に移り始めたことから、ハイテク株牽引による高値圏からの調整につながったのでしょう。
他方日本では、日銀の利上げが相応な円安の修正を呼応させて、輸出企業の利益下押しに瞬発的反応を示しての連鎖調整ですが、今日の大幅下落はそれに加えて国内金利の上昇基調を前提とした、需要減退→デフレ回帰まで市場が意識し始めたリアクションだと推察します。
1ドル=160円台の極度な円安は、国民生活の窮乏化を加速させることになり、利上げは不可避と自身は想定していましたが、市場はそれを織り込んでおらず動揺が値動きに反映されたと言えましょう。
しかしむしろ適温相場が最高値圏への急上昇を演出したここまでから、ルーティンとしての価格調整局面に入ったことで、市場プレーヤーの淘汰が起こり、0.25%とは言えゼロから金利ある日本に戻ることこそが正常化の始まりと考えるべきで、やがてそれを所与とした市場価格水準に落ち着くはずです。
私たち長期投資家は、マーケットの短絡的過剰反応を常に俯瞰し客観視して行ける立場です。今日一日の相場下落は決して投資対象企業の事業価値を損なうわけでなく、将来に向けた企業の付加価値を生み出すチカラをしっかりと見極め検証する長期投資家目線で、なかのアセット運用チームも再確認しています。そしてそこへの確信度が変わらぬ限り、短期的な相場変動はゆったりのんびりと乗り越えて行くのみです。殊に積立投資家はニコニコ出来ることでしょう。決してジタバタしないことが肝要です!
なかのアセットマネジメント代表
中野 晴啓