メッセージ
2026.09.19

長期投資家の皆さまへ(三菱UFJフィナンシャル・グループ組み入れの背景について)

「なかの日本成長ファンド」では、8月に三菱UFJフィナンシャル・グループを新たな保有銘柄として組み入れました。当ファンドが銀行株を保有するのは設定来初めてで、かつては投資対象とはならないとの判断でありました。
本レポートでは、ではここにきてなぜ銀行株である同社の保有に至ったのかをご説明いたします。
 
銀行株は「クオリティ・グロース株ではない」ではなかったか?
 
過去には、当ファンドでは銀行株はクオリティ・グロース株ではないと言っておりました。その理由は簡単に言うと、銀行は基本的には「利ざや」ビジネスであり、金利が上昇すると利益拡大のチャンスが増え、低下するとその逆となるのが一般的であるからです。金利に左右されるという点において、安定的とは言えず、よってクオリティとは言い難い。グロースの観点からは、人口減少が続く国内では預金や貸出残高の大幅な増加を見込みにくく、企業の資金需要も弱かった。よってグロースとは言い難かったのです。金利は銀行自身が決める価格ではなく、市場や金融政策に左右されます。高いシェアを背景に自ら値上げできる企業とは異なり、持続的な成長を描きにくかったのです。当時、多くの銀行は私たちの考えるクオリティ・グロースの条件を満たしていませんでした。
ただし、銀行株、中でも同社はずっと我々の投資ユニバースには入っており、調査は続けてまいりました。
今年の運用報告会では、同社をユニバースの中で「新規組み入れに最も近い企業」とご説明しました。その後さらに検証を重ねて組み入れに至りました。
 
ではなぜ同社を保有するのか?
 
当ファンドは、ROE(自己資本利益率)の高さだけでなく、そのROEを長期にわたり安定して維持・向上できる企業に投資する「クオリティ・グロース」を基本方針としていることに変わりはありません。今回も単に日本の金利が上がり、利益が増えたという理由だけで銀行株を組み入れることにしたのではありません。過去の発言と今回の組み入れだけを並べれば、方針が変わったように見えるかもしれませんが、変わったのは方針ではなく、同社の収益構造なのです。
同社はクオリティ・グロースの条件を満たす企業へ変わりつつあります。国内金利の上昇だけが組み入れの理由ではありません。AI・データセンター・電力インフラ投資の拡大を背景に、強みを持つプロジェクトファイナンスなどの案件を組成し、国内外の投資家へ販売する「資産回転型」の事業を拡大しています。少し難しいかもしれませんが、貸出を満期まで保有するという従来型のファイナンスだけでなく、インフラ投資のようなプロジェクトにファイナンスをつけて収益の出る案件に仕立て上げたうえ、それを投資家に販売し手数料獲得を重ねるのです。それによって自己資本を効率的に使いながら事業量を増やせます。その他、海外融資の残高と利ざやの改善、米モルガン・スタンレーとの協業やアジア事業からの収益、防衛・経済安全保障分野への資金需要の広がりも、成長機会を厚くしています。
 
顕著なROE向上
 
ROEの変化は、その構造転換を映しています。東証基準のROEは、2020年度の5.6%から、2023年度8.5%、2024年度9.3%、2025年度11.3%へ上昇しました。同社は2026年度に12%程度を目標としています。私たちは、資産回転、非金利収益、海外事業、資本政策の改善が続けば、当ファンド独自の中長期見通しでは、その先にはROE15%前後も視野に入ると考えています。
 
今後の方針
 
クオリティ・グロース企業とはいえない銀行の多くが国内金利と地域の貸出需要に収益を左右されやすいのに対し、同社は地域、顧客、収益源が分散しています。金利低下時にも海外事業や手数料収益を伸ばせる余地があり、金利一本足ではありません。もちろん、信用費用、為替、規制、世界景気などのリスクはあり、ROEの安定性は継続して検証してまいります。
 
引き続き当ファンドへのご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

2026年9月19日
なかのアセットマネジメント株式会社
チーフポートフォリオマネージャー 山本 潤

 


 

ご留意事項

この資料は情報提供を目的として、なかのアセットマネジメント株式会社によって作成されたものであり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
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商号:なかのアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第3406号
加入協会:一般社団法人資産運用業協会

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